映画「ザ・ダイバー」あらすじ

米国海軍に実在したダイバー、カール・ブラシアの実話に基づくストーリー。海軍の名マスター・ダイバーでダイバー養成所の鬼教官、ビリー・サンデー(ロバート・デ・ニーロ)のもとに、ある日ダイバーを目指す黒人兵士、カール・ブラシア(キューバ・グッディングJr.)がやってくる。当時は白人しか養成所への入所が認められていなかったが、カールの優秀さと熱意により特例として入所が認められたのだった。しかし黒人の彼に周囲の仲間は冷たく、ビリーもただでさえ厳しい訓練なのに、カールには特に厳しくあたる。訓練学校の所長であるパピーは「絶対に黒人を卒業させるな」とビリーに密かに命令していたのだった。度重なるひどい仕打ちに耐えて卒業試験にこぎつけたカール。卒業試験は潜水しながら、水上から落ちてくる工具を使って水中で部品を組み立てるというものだった。しかしカールのところだけには工具が落ちてこない。実は工具袋には密かに穴が開いており、工具はばらばらに海の中にちらばってしまっていたのだった。あきらめきれないカールは寒さに耐え、重い潜水具をつけたまま工具を拾い集め、やっとの思いで部品を組み立て、卒業試験に合格する。ビリーはこの不手際のため、教官の職を首になってしまうが、最後に首を言い渡した上司をぶんなぐって軍を後にする。なんとかダイバーにはなったが、カールの試練はまだ終わらない。スペイン沖での核爆弾落下事件でのミッション中、彼は事故にあい、足をほぼ切断する重傷を負ってしまう。一度は現役を退いたカールだったが、ビリーのアドバイスを受け、義足をつけてダイバーへの復帰を決意。そのためには、150キロ近い潜水具をつけたまま、義足で12歩歩く能力があることを証明しなければならない。査問会の場に現れるビリー。ビリーのかつての鬼教官よろしい号令に勇気づけられ、カールは12歩を歩き通し、現役に復帰、黒人として初の「マスター・ダイバー」の地位を手に入れるのだった。

映画「ザ・ダイバー」感想

人種差別を跳ね返し成功をつかむ黒人のストーリー、といってしまえばあまりにありきたりかもしれないが、キューバ・グッティングJr.とロバート・デ・ニーロの演技が光る一作である。教官時代にカールに厳しくあたるビリーを演じるデ・ニーロはまさに悪役そのもののように見えるが、実は情の深い人間であり、後半カールを助けるために奔走する姿は悪役とは真逆の存在である。両面を演じ分けるデ・ニーロの演技力はさすがである。もちろん度重なる人種差別的ないじめや、次々と襲い掛かる不運に負けることなく、一歩一歩求めるものを手に入れるために努力を続けるカールの姿は、グッティングJrの演技力とも相まって見る人の胸を打つ。そして何と言っても白眉なのは、カールが現役復帰を目指して潜水具を着て12歩を歩く能力を示す査問会の場である。軍服に身を包み鬼教官に帰ったかのようなビリーの厳しくも温かい号令のもと、脂汗を流し、義足を折りながらも12歩を歩きとおすカールの姿は、何度見ても涙なしには見れない。辛いことがあった時などに勇気をもらえる映画である。